LFA  ><

チーフエンジニア棚橋晴彦が語るLFA: 天使の咆哮

TANAHASHI TALKS LFA THE ROAR OF AN ANGLE

ようこそ、私のブログへ。これから数ヶ月にわたり、この場を通じて私のエンジニアリングについての考えと人生観を皆さんにお伝えしていきたいと思っています。そして、LFAを開発することにおける価値や楽しさ、私なりの考察とアプローチについてご紹介したいと思います。

LFA。私はこのクルマのチーフエンジニアである事を誇りに思います。事実、34年間…長いですね……この会社で働き、その三分の一にあたる時間をLFAに費やしてきました。相当な時間であることは承知していますし、マスコミ業界にいる友人の中には、この計画は一生終わらないのではないか、と言った人がいたのも覚えています。

しかし、私たちのゴールは非常に明確なものでした。LFAの完成に10年を費やしましたが、世界中のクルマを打ち負かすパフォーマンスのみならず、独自のキャラクターが備わったクルマに仕上げることに拘ってきました。我々は、LFAのボディに使用されているCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)という強化プラスチックを作るため、LFA工房に専用の織り機を設けました。鍛造アルミニウムのピストンが、毎秒25mものスピードで動いている高精度の織り機です。僕が言うことを信じてください。LFAは、スーパーカーの世界でさえも他に類をみない取り組みなのです。

The LFA’s complex, compact V10 engine can rev from idle to redline in 0.6 seconds.

LFAの複雑でコンパクトなv10エンジンは、アイドリングから最大回転数までの到達時間が、わずか0.6秒。

この事実こそ、初回である今回の投稿で詳しくお伝えしたかったことなのです。LFAと「会話」ができることの重要性、我々はそれをLFA開発の基本として意識していたのです。不思議に聞こえるかもしれませんが、高機能で素晴らしいクルマには、ドライバーと意思疎通ができ、運転そのものやオーナーシップを通じて感情をかき立てる何かが備わっているのです。これらはダイナミックな創造の下に成し遂げられるものであって、家庭用の電化製品を作るのとは全く異なるアプローチなのです。LFAは単なるマシンではなく、確固たるパーソナリティを有しています。

それ故、クルマとの会話は濃いものとなり、ドライバーは心の底からクルマと一体となる感覚を得ることができるのです。運転とはただ目的地に向かうためではなく、ドライバーがクルマと一つになることでもあるのです。LFAのこの一体感は、人間の五感によってもたされます。過去にレクサスがエキゾチックなスポーツカーの本質とは何か、を定義したことがあります。LFAはまさにその通りのクルマです。それは卓越した「運動性能」と「官能性能」を持つこと。クルマが持つ音による歓びと、車体の安定を感じながら、高速かつ正確にコーナーリングができること。これこそ、ドライバーの感情に訴えかける力をもつ、クルマとの一体感なのです。

An angelic LFA waits in its stable, ready to take flight.

今にも飛び立ちそうな<br>天使のようなLFA

そしてもっとも重要なことは、LFAというクルマは、ドライバーがしっかりと運転しなければならないクルマだという事です。もちろんクルマとして高い完成度を誇りますが、うわの空で運転するクルマではありません。例えば、自動点灯ライトや自動ワイパーといった機能は付けていません。それらは、LFAが求める付加価値ではないからです。エンジンスタートボタンを押したときの経験は、他に類を見ないものです。LFAは生きたクルマです。

実際に私は、LFAのエンジン音を「天使の咆哮」のようだと表現しました。後で人に教えられてがっかりしたのですが、アルフレッド・テニソンという詩人が、既にこのフレーズを使っていたようですね。いずれにせよ、この表現は、LFAの精神を如実に表しています。

次回は、LFAが世界で果たす役割について、私の見解をお話ししようと思います。(この点についてもテニソンは何か言及しているのでしょうか、私にはわかりません、、)

tanahashi-talks-01
2
チーフエンジニア棚橋晴彦が語るLFA: 天使の咆哮
/jp/models/LFA/tanahashi-talks-01.html
/jp/models/LFA/images/naviplus/tanahashi-talks-01.jpg
チーフエンジニア棚橋晴彦が語るLFA: 天使の咆哮