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チーフエンジニア棚橋晴彦が語るLFA:ニュルブルクリンクでの試練と功績

TRIALS AND TRIUMPHS AT NÜRBURGRING

武道には、道場と呼ばれる場所があります。そこは、鍛錬し技術を磨く場所です。LFAにも特別な道場があります。それはドイツのニュルブルクリンクです。 ニュルブルクリンクのノルドシュライフェ、もしくはノースループは、世界でもっとも過酷なサーキットです。12.9マイル(20.8km)の細く曲がりくねった舗装路は、スローやオープン、スイープ、オフキャンバーや上り坂、タイト、下り坂、といった思いつくすべてのコーナーが存在し、クルマがどのように曲がり、止まり、グリップし、加速し、そして走行していくのかを示す、濃密で有益なデータを提供してくれるのです。

それだけではありません。ノルドシュライフェは、ガードレールがあることによって、運転ミスを冒すとひどい目に遭います。ですから、緊張と高揚の両方の気持ちを持って運転するのです。クルマには、自分の操作に対して絶妙に反応してほしい、いや、してくれなければなりません。クルマの反応が予測できることも、クルマがドライバーの自信を喚起することも必要なのです。

ニュルブルクリンクという場所は、LFAにこのような類い希なる性質を授けてくれたのです。それは、私が情熱を注いでいるバラの栽培と似ています。 バラは、冬の間に一生懸命、上手に手入れをすることで、夏に美しく開花します。しかし一方で、ミスを冒した場合は、ガードレールと同じ様な罰があるのです。

ニュルブルクリンクは、競争の場としての顔も持っています。他社の開発車もここにはいます。ライバルを越えたときの歓びが、ここにはあります。我々は、LFAをニュルブルクリンク24時間耐久レースで2008年、2009年、2010年、2011年と走らせました。これらのレースで学んだこと、その中でも特に2008年と2009年の体験が、LFAを速くてスムーズなクルマとするための改善に役立ったのは、言うまでもありません。

Nürburging is the place where LFA was shaped with such rare qualities. Akira Iida is the test driver when LFA broke the lap record in Nordschliefe, to prove that.

ニュルブルクリンクは、レーシングカーとしてのLFAを形作った場所である。LFAはノルドシュライフェで周回記録を樹立。その時のテストドライバーが、飯田章だ。成瀬弘(故人)という偉大なチーフテストドライバーが、「LFAはニュルブルクリンクの24時間レースによって、3年は開発期間が縮まったのだ」と言っていました。成瀬以上にニュルブルクリンクを知っている人はいないでしょう。彼はニュルマイスターとして知られた人なのです。彼は、LFAのダイナミックなキャラクター作りに貢献しました。超人的な能力に開発陣の誰もが憧れたものです。

類い希なるクオリティを持ったクルマは、不動のチームワークなしでは作ることが出来ないのです。2011年8月31日、LFAは、レース用ではないスタンダードタイヤを装着した市販車としてのノルドシュライフェの周回記録を更新しました。LFAテストドライバーの飯田章が叩き出した周回タイムは7分14秒64で、これは、それまでの記録を6秒も縮めました。この記録が実現した理由の一つに、精巧なVDIM技術を前例のない形で使用したということが挙げられますが、そのことについてはまた次回お話ししましょう。この成績は、理想的なコンディション、飯田の集中力はもちろんですが、何よりもチームワークによるところが大きいと思っています。チームワークが、このスーパーカーを、他を超越する存在にしたのです。

Nürburging is the place where LFA was shaped with such rare qualities. Akira Iida is the test driver when LFA broke the lap record in Nordschliefe, to prove that.

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